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KVAアーティスト特集「539's」

KVAアーティスト特集
「539's」


「539's」

「熱量を持って、好きを貫く」

KVA在学中、同級生から「ゴミクズ」と言われたことがそのまま名前になった衝撃のHIPHOPユニット「539's」
福岡から世界を目指すオーディション「FUKUOKA ASIAN PICKS」ではHIPHOP唯一のファイナリストで、東京のライブハウスにも出演する注目アーティストです!
KVA音響学科からミュージッククリエイト学科に転科し、卒業からここまでの音楽活動の道のりを取材しました。
若きクリエイターたちにとって、活動のヒントになれば幸いです。

「負の感情だって、音楽の原動力になる」

---まず、現在の主な活動状況について教えてください。

小日向京香)
音源制作をやってる時間が一番長いですが、ライブだと小倉のFUSE、博多のCavan Beatによく出てます。

Hoshi'2)
あと、最近は東京のライブハウスにも出演しました。

---東京には、どういった経緯で出演に至りましたか?

Hoshi'2)
東京のラッパーさんと福岡のライブで共演した後に下北沢のライブハウスの方がそのラッパーさん繋がりで539'sのMVを見てくださり、お声掛け頂きました。

小日向京香)
あ、だから活動には「MVを作る」ってのもあります。
おかげでこうやって繋がった縁もあります。

------楽曲作りは、どのような工程で進めますか?

Hoshi'2)
自分がトラック(音源)をいくつか作って、小日向がリリック(歌詞)を当てるっていう段取りです。

---HIPHOPは、他のジャンルに比べて歌詞の量が多いと思いますが、作詞は大変ですか?

小日向京香)
いや、書く作業はそこまで大変じゃないです。
むしろトラックに当てはまるよう、削る方が大変です。

---539’sの楽曲は、メロディは軽快でポップながら歌詞の節々には妬み・嫌悪などの感情を読み取れるシーンが多く、その絶妙な爽やかさが魅力のひとつだと感じます。そんなリリックを書くには、どこからインスピレーションを得ていますか?

小日向京香)
自分は、割と病みがちなので(笑)
イヤな思いとか、ストレスの衝動がリリックの源になってます。
音楽って、落ち込んだ人を励ましてくれる時、明るくするか、一緒に落ちてくれるかだと思うけど、539’sの音楽はそうじゃなくて、「きみの下にはこんな奴もいるんだよ、だから安心して」
っていう思いが込められています。
だから、そういった負の感情が原動力として必要なんです。

---あ、だから539’sなんですか!?

小日向京香)
いや全然関係ないです(笑)

Hoshi'2)
KVA在学中にバイトもせず音楽ばっかしてたのが俺らだけで、「ゴミクズ」って同級生から言われて、「確かに」と(笑)

「短編小説のような世界観を楽しんでほしい」

---『Abnormal Midnight』の制作の裏側について、お聞かせください。

小日向京香)
Hoshi'2が作ったトラックにリリックを当てる時のやり方って、ストックしておいたものを使う場合と、即興(フリースタイル)でやる場合とがあるんですが、今回は割と即興がハマって、すぐに全体像が出来上がりました。
ただ、初期構造が即興で作られたので、そこからトラック側がリリックに寄せる調整が大変だったと思います。

Hoshi'2)
あの曲は、いつも以上にトラックに対する注文が多かった気がする。
「ベースの音が足りない」とか言われて、だいぶ作りこみました。

小日向京香)
あと、世界観としては短編小説みたいのように、別世界の主人公たちが描く物語になっています。
YouTubeのMVにリリックが載ってあるので、それを見ながら聴いてみると面白いと思います。


---5月3日(ゴミの日)にアップされた同曲のMVですね。MVでは、撮影や演出で意識したことはありますか?

小日向京香)
夜は思考が冴え渡って、普段より捗るじゃないですか。
そういった自分の中で感情や思いが湧いてくる様子を映像を通して出せたらいいなって、思って作りました。

---気に入ったシーンや、見所はありますか?

小日向京香)
観覧車のところですかね。
本当はHoshi'2バージョンも撮ってたんですけど、あとで確認してみたらニヤけてばっかで、全然使えなかった。

Hoshi'2)
観覧車のシーン撮るときは、2周分撮った方がいいです(笑)

小日向京香)
ちなみに撮影してくれたのもKVAの卒業生です。
いろんなところで、繋がってくれてます。

「時間がかかっても、続けた方がいい」

---過去に遡った質問になりますが、539’sとして活動していく決心は、どのようにつきましたか?

Hoshi'2)
最初、自分は音響学科のPA専攻で、小日向はレコーディング専攻だったんですけど、講師の先生が「クリエイターの方が向いてるんじゃないか?」と、アドバイスしてくれて。
そこからサウンドクリエイター専攻に転科(学科変更)しました。

小日向京香)
でも転科した時は、そこまで決心がついていなかったんですけど、音楽イベント専攻が企画した「インスパイアライブ」っていうのに3、4回すべて出演したんです。
あの活動の間で「これでやっていこう」って、決心がついたと思います。

---音楽活動の中で、どんな壁にぶつかってきましたか?

Hoshi'2)
現在進行形でぶつかっている案件があって(笑)「ライブの魅せ方」です。
やはりバンドは見てて伝わりやすいですけど、HIPHOPは難しい。
DJとか特に「あのテーブルで何してんだろう」って思われてそうで、何もしてないって思われるのが嫌だからマイクでコーラスやってます(笑)

小日向京香)
あと、これは壁でもあり手応えもあったんだけど、「FUKUOKA ASIAN PICKS」の決勝に進出したことです。
でも、他のファイナリストが全員バンドばかりで…

Hoshi'2)
…よし、バンドやるか!
ごめんなさい冗談です…(笑)

---逆に、ステップアップや達成感を覚えたのはどんな時ですか?

小日向京香)
やっぱり「FUKUOKA ASIAN PICKS」の決勝進出ですね。
ほとんどの審査員からシビアなジャッジをもらう中で、TAKUYAさん(元JUDY AND MARYのギタリスト)から前向きなコメントを貰った時、嬉しかったです。

Hoshi'2)
あとは、これまでEP版を4つ出してきたんですが、EPが出来上がった時はいつも「やった感」があります。

---これからの活動の展望について、教えてください。

小日向京香)
直近では、8月4日に小倉FUSEでライブに出させてもらいます。
とにかくいろんな人に聴いてもらえるよう、もっと活動エリアを広げていきたいです。

Hoshi'2)
そうして一人でも539'sのことが好きだと思ってくれる人が増えてくれるように、チャンスを掴んでいきます。

---KVAで学ぶ後輩たちに、一言メッセージをお願いします。

小日向京香)
どうにかなる、ってことを伝えたいです。
自分たちも転科してやってこれたんだから、悩んでいるなら「やりたいこと」をやろう。
それで最初はたとえ売れなかったとしても、熱量を持ち続けて好きを貫けば、必ず「何か」に繋がるので。
時間はかかるかもだけど、続けた方がいいと思います。

Hoshi'2)
539’sの音楽も、最初は万人受けしづらいって言われてたけど、今は「539'sらしくて、曲もいい」って言ってもらえるようになって、いろんなライブに出演させて頂けるようになったので。
在学中バイトもせず、金もないゴミクズだったくせに一丁前に高い機材買って、ずっと音楽のこと考え続けて、でも、だからこそ「音楽に対する思いだけは強い」っていう自負だけはあったから、やってこれたんだと思います。
思いを持ち続けて、やってみてください。


集合写真

KVAアーティスト特集「Kay from MELTY LOUNGE」

KVAアーティスト特集
「Kay from MELTY LOUNGE」

「小さな点が、大きな丸を作る」

KVA卒業後「MELTY LOUNGE」としてグループやソロ名義で活動中のシンガー「Kay」
FREAKとのコラボやLEGENDの出演など、福岡を中心にHIPHOPシーンを席巻中!
華々しい活動の背景には、HIPHOPに限らずミュージシャンとして誰しもが持っている「音楽との真摯な向き合い方」が秘められていました。
スキルアップに悩む方には、ぜひ読んで頂けると幸いです。

「歌詞やメロディひとつで簡単に世界観が崩れる」

---無知な質問で大変恐れ入りますが、そもそも「grooozy crew」とは何でしょうか?
「MELTY LOUNGE」とは違うグループでしょうか?

ヒップホップシーンでは、数名のメンバーによって構成された集団をよく「クルー」って呼ぶんです。
「grooozy crew」はラッパー、トラックメイカー、ビートメイカーなどが一緒にやっている集団で、その中に僕たちシンガーの「MELTY LOUNGE」っていうグループが存在している、って考えてもらえると分かりやすいと思います。

---なるほど、よく分かりました!それでは「MELTY LOUNGE」の主な活動状況について、教えてください。

ライブハウスやクラブでのライブ活動が多いですね。
スタイルとしてはR&B、HIPHOPがメインです。

---出演の流れは、どのような流れで決まりますか?

オーガナイザー(主催者)さんに呼んで頂くことがほとんどですが、アクト(出演者)から声がかかってフィーチャリングすることもあります。

---楽曲制作の裏側についてお聞きします。

「MELTY LOUNGE」やソロ名義の「Kay」の楽曲をお聴きして、自然と体が揺れるメロウなサウンドがとても心地よかったです。
そういった曲を作る上でのテクニック、コツはありますか?
僕はシンガーなので、歌い手として心がけていることは「R&Bはアメリカ産である」ということです。
もともと日本のものではない音楽なので、どのように向こうのニュアンスに近づけるかを、常に注意してます。
例えば、米津玄師さんが書く歌詞って直接的な表現よりも深読みするような表現が多いですけど、アメリカってすごいシンプルですよね。

---確かに、アメリカのヒットチャートの歌詞の和訳を読むと「彼女が別の男と遊んでたんだ」とか、「そんな内容なの?」って驚くほどシンプルな場合が多いです。

そう、だから歌詞ひとつにしても向こうのニュアンスに近づける工夫があって、歌い方やメロディにしても「この音は日本っぽいな」っていうのもあるし、やり方ひとつで簡単に世界観が崩れてしまうこともあります。

---ただ、若い世代に「R&B」といってピンと来ないことが増えているとお聞きしました。

そうなんですけど、絶対に皆どこかで耳にしてるはずなんです。
例えば、宇多田ヒカルさんの歌のルーツにもR&Bはあるし、気づいていないだけで、どこかでR&Bには触れていると思います。
R&Bの定義を口で説明することは難しいですが、基本的にはメロウでセクシーな曲だったり、心地よかったりとか、ドライブに出たくなる爽やかな曲だってあります。
だから、聴いてみたら「これってR&Bだったんだ!」って思うはずです。

「あれはメチャクチャ大事なことだったんだなって...」

---KVA在学中の記憶に残るイベントはありますか?

音響学科の音楽イベント専攻が企画してくれたライブですね。
学外の「Cavern Beat」っていうライブハウスに出演しました。
あと、エスペランサホールでカラオケ大会があって(笑)、優勝して賞品を頂いたのを覚えてます。

---その他、印象的だったKVAの授業はありますか?

サウンドクリエイター専攻の五魚先生の授業ですかね。
曲作りに関する授業はもちろんですが、まだ知らない音楽の世界を見せてくれました。
アメリカの有名なラッパー「T-Pain」の『Buy U A Drank』を授業中に聴いたことはよく覚えてるし、今でも聴いてます。

---在学中は気づかなかったけど、今にして思えば重要だったと思えるような授業はありますか?

曲作りにおける「音楽理論」の授業です。
コードの1度2度3度や、コード進行、楽譜の読み方を学ぶんですが、在学中は正直どこか「メンドくさい」って思っちゃってました。
それで、いざ音楽作りをやってみたら「あれ、メチャクチャ大事だったんだな」って、いま痛感してます(笑)

---気づけなかった理由は、何だと思いますか?

恐らく、在学中に明確な目標がなかったからだと思います。
「音楽がやりたい」っていうざっくりした目標しかなくって、悪くいうとチャランポランだったから。
そういった基礎練の大事さを見抜けなかったんだと思います。

「叶わないことじゃなくて、今できること」


「Kay from MELTY LOUNGE」

---卒業後からの音楽活動で「ぶつかった壁」はありますか?

まさに今で(笑)
曲が作りにくくなったって感じてるんです。
メロディが出来上がっても「USっぽくない」って思ったり、「この音より、こっちの音を使いたい」って考えてしまうんです。
少しスランプというか、自分の作った曲に満足できなくなってきてます。

---これまでの楽曲制作は、比較的にスムーズでしたか?

そうですね、『Weeken' Love』なんか2日で出来ました(笑)
でも今みたいなスランプになって、さっきの話に戻るんですが「基礎練をちゃんとしておけばよかったな」って思います。

---逆に、ステップアップを感じた瞬間はありますか?

Brayzzyさんとフィーチャリングさせて頂いた『Hot Bixxh』っていう曲を出せた時ですね。
初披露は久留米の「FLAVOR」っていうライブハウスだったんですが、その時からウケが良くって、すごく盛り上がるんです。

---これからの音楽活動のビジョンを教えてください。

実は、今年に入ってから小さい目標が結構叶ってて、ずっとコラボしたいって思ってたFREAKさんと「Tell Me」って曲で一緒にさせてもらったり、しかもFREAKさんのツアーコンサートでオープニングアクトに出させて頂いて、すごい嬉しかったです。
あと、福岡で最大規模のHIPHOPイベント「LEGEND」がDrum LOGOSで開催されるんですが、そちらにも「MELTY LOUNGE」として出演させて頂きます。

---順風満帆ですね!

だから次は、ワンマンライブを成功させたいです。
あと、今の作曲の壁を乗り越えることができたら、EP版もリリースしたいって考えてます。

---最後に、KVAの後輩にメッセージをお願いします。

そんな偉そうなこと言える立場じゃないんですが、「目標を多く作ることが大事」だと思ってます。
まずひとつ、大きな目標を作ること。
それは「良い曲を作りたい」や「有名になる」とか、曖昧なものでもいいです。
そして、それを達成するための小さな目標を作ってください。
こっちは出来る限り具体的に、目の前にあって今できること、パッと思いつくようなことを選んでください。
例えば、「来週中に1曲作るぞ」とか、「あそこのライブハウスに出るぞ」とか。
そうやって、小さな目標が少しずつ集まっていくと大きな丸になって、大きな目標に辿りつくはずです。

---最初から大きな目標に挑むのではなくて、小さく積み上げて大きな丸を作り上げるのが大事なんですね。小さな目標を見つけるためのコツはありますか?

常にアンテナを張っておく必要があると思います。
そうじゃないと、自分の目標や課題に気がつかない。
僕の場合、よく人のライブを見ていたら「あれいいな」ってインスパイア受けることがあって、その音やパフォーマンスを曲に取り入れたりしてます。
僕は学生生活を漠然と過ごしてしまったので、今の学生にはぜひこれを実現してほしいと思います。
叶わないことじゃなくて、いまできること。
その小さな点が、大きな丸に繋がります。


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