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KVAアーティスト特集「Kay from MELTY LOUNGE」

KVAアーティスト特集
「Kay from MELTY LOUNGE」

「小さな点が、大きな丸を作る」

KVA卒業後「MELTY LOUNGE」としてグループやソロ名義で活動中のシンガー「Kay」
FREAKとのコラボやLEGENDの出演など、福岡を中心にHIPHOPシーンを席巻中!
華々しい活動の背景には、HIPHOPに限らずミュージシャンとして誰しもが持っている「音楽との真摯な向き合い方」が秘められていました。
スキルアップに悩む方には、ぜひ読んで頂けると幸いです。

「歌詞やメロディひとつで簡単に世界観が崩れる」

---無知な質問で大変恐れ入りますが、そもそも「grooozy crew」とは何でしょうか?
「MELTY LOUNGE」とは違うグループでしょうか?

ヒップホップシーンでは、数名のメンバーによって構成された集団をよく「クルー」って呼ぶんです。
「grooozy crew」はラッパー、トラックメイカー、ビートメイカーなどが一緒にやっている集団で、その中に僕たちシンガーの「MELTY LOUNGE」っていうグループが存在している、って考えてもらえると分かりやすいと思います。

---なるほど、よく分かりました!それでは「MELTY LOUNGE」の主な活動状況について、教えてください。

ライブハウスやクラブでのライブ活動が多いですね。
スタイルとしてはR&B、HIPHOPがメインです。

---出演の流れは、どのような流れで決まりますか?

オーガナイザー(主催者)さんに呼んで頂くことがほとんどですが、アクト(出演者)から声がかかってフィーチャリングすることもあります。

---楽曲制作の裏側についてお聞きします。

「MELTY LOUNGE」やソロ名義の「Kay」の楽曲をお聴きして、自然と体が揺れるメロウなサウンドがとても心地よかったです。
そういった曲を作る上でのテクニック、コツはありますか?
僕はシンガーなので、歌い手として心がけていることは「R&Bはアメリカ産である」ということです。
もともと日本のものではない音楽なので、どのように向こうのニュアンスに近づけるかを、常に注意してます。
例えば、米津玄師さんが書く歌詞って直接的な表現よりも深読みするような表現が多いですけど、アメリカってすごいシンプルですよね。

---確かに、アメリカのヒットチャートの歌詞の和訳を読むと「彼女が別の男と遊んでたんだ」とか、「そんな内容なの?」って驚くほどシンプルな場合が多いです。

そう、だから歌詞ひとつにしても向こうのニュアンスに近づける工夫があって、歌い方やメロディにしても「この音は日本っぽいな」っていうのもあるし、やり方ひとつで簡単に世界観が崩れてしまうこともあります。

---ただ、若い世代に「R&B」といってピンと来ないことが増えているとお聞きしました。

そうなんですけど、絶対に皆どこかで耳にしてるはずなんです。
例えば、宇多田ヒカルさんの歌のルーツにもR&Bはあるし、気づいていないだけで、どこかでR&Bには触れていると思います。
R&Bの定義を口で説明することは難しいですが、基本的にはメロウでセクシーな曲だったり、心地よかったりとか、ドライブに出たくなる爽やかな曲だってあります。
だから、聴いてみたら「これってR&Bだったんだ!」って思うはずです。

「あれはメチャクチャ大事なことだったんだなって...」

---KVA在学中の記憶に残るイベントはありますか?

音響学科の音楽イベント専攻が企画してくれたライブですね。
学外の「Cavern Beat」っていうライブハウスに出演しました。
あと、エスペランサホールでカラオケ大会があって(笑)、優勝して賞品を頂いたのを覚えてます。

---その他、印象的だったKVAの授業はありますか?

サウンドクリエイター専攻の五魚先生の授業ですかね。
曲作りに関する授業はもちろんですが、まだ知らない音楽の世界を見せてくれました。
アメリカの有名なラッパー「T-Pain」の『Buy U A Drank』を授業中に聴いたことはよく覚えてるし、今でも聴いてます。

---在学中は気づかなかったけど、今にして思えば重要だったと思えるような授業はありますか?

曲作りにおける「音楽理論」の授業です。
コードの1度2度3度や、コード進行、楽譜の読み方を学ぶんですが、在学中は正直どこか「メンドくさい」って思っちゃってました。
それで、いざ音楽作りをやってみたら「あれ、メチャクチャ大事だったんだな」って、いま痛感してます(笑)

---気づけなかった理由は、何だと思いますか?

恐らく、在学中に明確な目標がなかったからだと思います。
「音楽がやりたい」っていうざっくりした目標しかなくって、悪くいうとチャランポランだったから。
そういった基礎練の大事さを見抜けなかったんだと思います。

「叶わないことじゃなくて、今できること」


「Kay from MELTY LOUNGE」

---卒業後からの音楽活動で「ぶつかった壁」はありますか?

まさに今で(笑)
曲が作りにくくなったって感じてるんです。
メロディが出来上がっても「USっぽくない」って思ったり、「この音より、こっちの音を使いたい」って考えてしまうんです。
少しスランプというか、自分の作った曲に満足できなくなってきてます。

---これまでの楽曲制作は、比較的にスムーズでしたか?

そうですね、『Weeken' Love』なんか2日で出来ました(笑)
でも今みたいなスランプになって、さっきの話に戻るんですが「基礎練をちゃんとしておけばよかったな」って思います。

---逆に、ステップアップを感じた瞬間はありますか?

Brayzzyさんとフィーチャリングさせて頂いた『Hot Bixxh』っていう曲を出せた時ですね。
初披露は久留米の「FLAVOR」っていうライブハウスだったんですが、その時からウケが良くって、すごく盛り上がるんです。

---これからの音楽活動のビジョンを教えてください。

実は、今年に入ってから小さい目標が結構叶ってて、ずっとコラボしたいって思ってたFREAKさんと「Tell Me」って曲で一緒にさせてもらったり、しかもFREAKさんのツアーコンサートでオープニングアクトに出させて頂いて、すごい嬉しかったです。
あと、福岡で最大規模のHIPHOPイベント「LEGEND」がDrum LOGOSで開催されるんですが、そちらにも「MELTY LOUNGE」として出演させて頂きます。

---順風満帆ですね!

だから次は、ワンマンライブを成功させたいです。
あと、今の作曲の壁を乗り越えることができたら、EP版もリリースしたいって考えてます。

---最後に、KVAの後輩にメッセージをお願いします。

そんな偉そうなこと言える立場じゃないんですが、「目標を多く作ることが大事」だと思ってます。
まずひとつ、大きな目標を作ること。
それは「良い曲を作りたい」や「有名になる」とか、曖昧なものでもいいです。
そして、それを達成するための小さな目標を作ってください。
こっちは出来る限り具体的に、目の前にあって今できること、パッと思いつくようなことを選んでください。
例えば、「来週中に1曲作るぞ」とか、「あそこのライブハウスに出るぞ」とか。
そうやって、小さな目標が少しずつ集まっていくと大きな丸になって、大きな目標に辿りつくはずです。

---最初から大きな目標に挑むのではなくて、小さく積み上げて大きな丸を作り上げるのが大事なんですね。小さな目標を見つけるためのコツはありますか?

常にアンテナを張っておく必要があると思います。
そうじゃないと、自分の目標や課題に気がつかない。
僕の場合、よく人のライブを見ていたら「あれいいな」ってインスパイア受けることがあって、その音やパフォーマンスを曲に取り入れたりしてます。
僕は学生生活を漠然と過ごしてしまったので、今の学生にはぜひこれを実現してほしいと思います。
叶わないことじゃなくて、いまできること。
その小さな点が、大きな丸に繋がります。


【告知】8月9日(金)「お仕事体験フェスタ」開催!

8月9日(金) 開催!
「お仕事体験フェスタ」

なんと1日で、34分野90種類のお仕事体験ができちゃうビッグイベントです✨

音楽、声優、俳優、テレビ・映画、CG、写真 などの分野の他にも、マンガ、イラスト、ファッション、ペット、ITビジネス、美容、旅行、スイーツ などなど、、幅広いお仕事体験ができるお得な1日!

予約なしで当日参加OKです!!
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バスご利用の方は事前の予約が必要となりますので、LINE@で友達登録をして、

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お電話でも予約受付OKです!

たくさんのご参加、お待ちしています!

【お仕事体験フェスタ】
●8月9日(金) 10:00~16:00
●福岡国際会議場(2F多目的ホール)
●参加無料 ●入退場自由 ●服装自由
●無料送迎バスあり(要予約)


Special Artist File:01 図鑑(平山カンタロウ)

Special Artist File
「図鑑(平山カンタロウ)」

「気張るとロクなことないです」

KVAのライブサーキットフェスご出演の際に、バンド「図鑑」のVo.&Gt.平山カンタロウさんを独占インタビューさせていただきました!

《楽曲・活動紹介》
● メモリー(トヨタカローラのCMソング)
● ファンファーレ(王様のブランチEDテーマ)
● ゆら、ゆら、ゆら(ドラマ「のの湯」の主題歌)
● DRUM LOGOSでのワンマンライブ開催
● 福岡の大型野外フェス「NUMBER SHOT 2018」出演

若きミュージシャンが抱える悩みや将来の不安、それらとどのように向き合っていくべきか?
平山さんだからこそ語れる言葉にご注目ください。

「音楽が楽しいと感じてから、スタートライン」

---いきなりですが、音楽で食べていけるか不安な人が目の前にいるとして、平山さんなら何と声をかけてあげますか?

難しいですよねぇ。
僕自身、普通の仕事をしながら図鑑の活動を続けてるし。

---平山さんも、普段は別のお仕事をされているんですか?

やってますよ。
音楽だけで食べていくことって難しくて、苦しいことだってあるし、思い通りにならないことも多いです。
でもその分、「音楽でしか楽しめないこと」だってあります。
それが分かるまで音楽を続けてみないことには、スタートラインにも立てていないと思います。

---不安だからと言って二の足を踏んでばかりいては、スタートすら出来ないということですね。

そうですね、まずは音楽で楽しめる方法が見つかるまで続けること。
そこから判断すればいいと思うんです。
辛いと思えば辞めたらいいし、居続けてもいいし。
この話は、音楽以外の業界にも当てはまると思います。

---その分岐点まで続けるためには、どのような工夫が必要ですか?

人と繋がることが大事です。
音楽を続けるってなると収入に繋げる考え方が強くなりがちだけど、まずは「お金ではなく人」との繋がりが、大事だと思います。

「音楽を伝えるのは技術だけど、技術の成長には人が必要」


図鑑(平山カンタロウ)

---「図鑑」の下積み時代を振り返ってみると、どうでしたか?

今も下積みだって思ってます(笑)
でも嬉しいって思うことはあって、レコード会社からCDを出させてもらったり、CMやドラマにタイアップさせて頂いたり、あとは「Number Shot」に出演した時もすごく嬉しかったです。
ただ、それが全部一気にくるわけじゃなくて、
継続して活動してきたから徐々に積み重なった訳なんです。
だから、振り返ってみると「意味のある活動だったな」って思うし、「音楽が楽しい」と感じるまで続ける話にも繋がると思うんです。

---「もっとこんな活動をしておけばよかった!」と、思うことはありますか? 

今はそんなことないんですけど、20代の頃の自分って「人との繋がり」をあまり重視していなかったんです。
ライブ終わったらすぐに帰るみたいな。
でも、そうやって人との距離が空いたが故に気づいたのは、「音楽は技術で伝えるけど、その技術は人がいないと成長できない」ということ。
人が聴いてくれたり、背中を押してくれたりするから、「もっと上手くなろう!」って、思えるんです。
だから、人との繋がりは必要だって痛感した今では、音楽で繋ぐのは「お金ではなく人」って考えるようになりました。
もちろん、繋がりばかり作っていってもしょうがないだから、ちゃんと音楽に対する芯を持った上で、繋がることが大事だと思います。

---ファンから言われた嬉しい言葉はありましたか?

よく聞くような話だとタカをくくっていたんですが、「落ち込んでる時に『図鑑』の曲に助けられました!」って、実際に言われてみるとすごい嬉しかったです。
「本当にあるんだ」って、ビックリしました。
あと、「Number Shot」の出演が決まった時も、自分のことのように喜んでくれるファンの方がいてくれて、その時もとても感動しました。
改めて「音楽って、感動を売る仕事なんだな」って、感じました。

---「音楽は感動を売る仕事」という点について、詳しく伺ってもいいですか?

音楽もそうだけど、世の中にはいろんな商品が溢れていて、その全てに製作者の熱い思いや、掛けた時間が込められていると思うんです。
でも商品の場合、消費者の手に届くまでには時間と場所も大きく開いている。
だから、その熱い思いを感じ取ることは、なかなか難しいと思うんです。
でもライブは、その距離感がなくダイレクトに伝えられるから、製作者の思いが冷めることなく相手に届くんです。
これは当たり前なことだけど、本当にすごいことだと思ってます。

「いい意味のバカさという才能」


図鑑(平山カンタロウ)

---曲作りについてお聞きします。流行や自己表現など、意識していることはありますか?

20代の頃は、ライブでも音源作りでも流行を意識していました。
でも歳を重ねてくると、考え方が変わってくるんです。
「それって要はモノマネで、個性じゃないのでは?」って。
埋もれていく作品群の中で光るものを出すには、結局個性しかないんじゃないかなって。
それに気づいてからは、ナチュラルに自分の中から出てくるものを大事にしています。

---ナチュラルさを出すということは「言うは易し」という印象が強いですが、何かコツはありますか?

制作活動の中で勝手にそうなるもの、自然とそうなるもの、口から出てくる言葉、メロディ、コードを押さえる手、そういった「自分らしさ」を見逃さないようにすること。
あと、流行やマーケットを意識する作業は「アレンジの段階」だと割り切り、作詞作曲の作業に集中することも大事だと思います。
でも、それに気づいたのは20代後半から30代にかけてのことだし、それまでいろんなアプローチを試してきたからこそ分かってきたことだと思うので、続けていれば自然と見えてくると思います。

---音楽の才能はあると思いますか?

存在しない…とは、言い切れないと思います。
でも、才能以外の部分で補えるものも多いです。
例えば自分の場合、いろんなものに触れたり、自分に条件を課すとか、そういった才能以外で伸ばせるパワーも大事だと思います。
あと、これを才能と呼んでいいかは分からないけど、「音楽を続けること」を成し遂げるための才能には、「いい意味のバカさ」っていうのがあると思います。

---それは、どんな才能ですか?

僕らミュージシャンって、ギターや歌とか、音楽というオモチャでずっと遊び続けている子供のような存在だと思うんです。
だから、冷静に客観視できてしまった瞬間に冷めていって、そこで音楽を辞めてしまう人が大半だと思います。
でも「いい意味のバカさ」があると、勘違いできちゃうというか、ずっと遊び続けることができるんです。
あるいは、客観視した自分を二重人格みたいに「この子どもをどうやってプロデュースしようか?」って、考えられる才能があれば、続けることができるんだと思います。

---最後に、若手のミュージシャンに向けてコメントをお願いします。

「気張んなよ」ってことですかね(笑)
気張るとロクなことがない、だから無理しないで。
自分が苦しんでたら音楽なんて楽しめないですよ。
ライブでお金がかかって辛いなら、路上でもいいし。
この辺の話になると、結局また「人と繋がること」が重要って話になって、その人はきっと自分が想像もしてなかった世界に連れてってくれます。
いろんな人と繋がりながら、音楽で楽しむ方法を探してみてください。


集合写真

【告知】豪華プロミュージシャンがKVAに集結!

音 楽 好 き 必 見 !

専門学校 九州ビジュアルアーツにプロミュージシャンが集結!

6/29(土)13:00~15:00 参加無料

★ どんなイベント?

コンサートを観に行って、ミュージシャンに近づこうとステージに登ったら捕まってしまいます。
それを実現させたのが、今回のスペシャルライブです。

中ノ森 文子さん

「中ノ森BAND」のヴォーカル・ギターでデビュー。
ドラマ主題歌の楽曲が第48回日本レコード大賞で新人賞を、翌年は金賞も金賞。

山本 直哉さん

コブクロやJAM Projectの他、音楽番組「ミュージックフェア」で多数のアーティストと共演するベーシスト。

ただ聴くだけのライブではない、通常絶対に見られない《プロの裏側》を自由に見聞きすることができます。
1日限定のスペシャルバンドを「ありえない距離」で体感しよう!

● 日時:6/29(土)13:00~15:00

● 予約画面:こちらをクリック

※1: 予約画面の「希望講座」にて以下のようにご入力ください。
ミュージシャン系→V043 プロとゼロ距離のライブセミナー!
音響・照明スタッフ系→V042 スペシャルゲストライブ!

※2: 無料バス運行
山口(下関・防府・周南)・大分(別府・日田・大分)


KVAアーティスト特集「yonawo」

KVAアーティスト特集
「yonawo」


「yonawo」

左から斉藤雄哉(Gt.)/田中慧(Ba.)/荒谷翔大(Vo.)/野元喬文(Dr.)

「くっそフツーの家庭環境でした」

専門学校九州ビジュアルアーツ(KVA)のレコーディングスタジオで作業中と聞いて、バンド『yonawo』を緊急インタビュー!
KVA卒業生でyonawoのギター&アレンジ&レコーディングを担当する
ユウヤくんと、担任の立川先生からご協力頂き、本インタビューが実現できました!

※立川先生...ミュージッククリエイト学科&レコーディング専攻担任 兼 現役レコーディングエンジニア

「ゲスの極み乙女」川谷絵音さんからもピックアップされた楽曲「ijo」の制作の裏側や、最近のライブ事情についてお話いただくことができました。


ijoは構想を決める作業で苦戦してました


「yonawo」

---今回KVAでは、アナログ盤(レコード)を作るためにご来校したと伺いました。アナログ盤を作るようになったきっかけはありましたか?

田中)
...きっかけあったっけ?

荒谷)
ただメンバー全員が「アナログで聴いてみたい」って思ってました。
聴く環境なら、ユウヤの家にあるし。

斎藤)
あとレコードの需要もありそうなんです。
「yonawoをレコードで聴いてみたい」って、よく言われるので。

立川先生)
DJにも渡せるしね。

荒谷)
あーそうですね、聴いてもらえる環境も増えるし。


---1st EP「ijo(アイジョー)」と2nd EP「SHRIMP」についてお聴きします。SHRIMPではijoより更に音数が少なくなった印象を受け、アメリカのミュージックシーンの流行でもあるミニマルさが増したと感じました。曲作りでは、そのような「引き算の美学」みたいなことは意識していますか?

荒谷)
特別それを意識してるってことはなくって、ただ単にSHRIMPの方が「俺が影響を受けた音楽」とかの嗜好が強く出てるんだと思います。
ijo(イジョー)はみんなでアレンジしながら作って、SHRIMPはほぼ俺一人で作った「遊び」のような作品だったので。
だからijoは作るのに苦戦して、結構時間かかりました。

立川先生)
ijoって「イジョー」って読むの?

荒谷)
あ、どちらでもいいです(笑)
聴いてくれた友達が「アイジョー」って呼んでくれて気づいたんです。
「めっちゃいいやん」って(笑)

斎藤)
嬉しかったね、あれ。


---ijoの制作には苦戦したということですが、「構想があるけどピースがハマらない」という感じでしたか?

荒谷)
いや、構想を決める作業自体に苦戦しました。
最初決まっていたのが、リズムとキーボードとドラムくらいで。
ギターはユウヤがいい感じのアレンジしてくれたからよかったですけど、俺はくそキモいドラムパターン持ってきたりしてて。

斎藤)
あれはキモかった。

田中)
みんなの変なアレンジばっか聴いてて、頭おかしくなりそうだった。

野本)
16分のノリでベース弾いてみて、とか。

斎藤)
エフェクターでディレイをギュインギュイン掛けたりして。

荒谷)
すごい苦戦したけど、楽しかったです。


---実際、どれくらいの作曲期間でしたか?

荒谷)
ijoだけで2週間ぐらいかかって、あとの2曲は1日ずつで終わりました(笑)
そのあとのミックスも大変で、結果1ヶ月ぐらいだったと思います。


そのままライブでやってもつまらんよ


「yonawo」

アナログ・レコード用にマスタリングされた音源をチェック中


---yonawoの魅力に「宅録感」や「ベッドルーム感」といった表現がよく用いられるのですが、どう感じますか?

荒谷)
え、そんな風に言われてるんですか?(笑)

斎藤)
でも嬉しいよね、狙い通りな感じ。
一回、KVAにもあるようなカッチリしたレコーディングルームで録ってみたんですけど、ダメでした。

荒谷)
曲の息が詰まって死んでいくのを感じて、「そろそろ死ぬよー!」って、曲が言ってたのを覚えてます。
基本yonawoの曲はユウヤの家での宅録なので、やっぱり空気感とかが出てるんだと思います。


---それらのyonawoの印象に対して「ライブ」というのはある意味反対のところにある音楽表現だと思います。一度、福岡でのライブを聴かせて頂いた時、聴く前は「どうなるんだろう」って不安だったのが、実際はとても良い空気感のステージでした。ライブ演奏で何か気をつけていることはありますか?

田中)
…あるっけ?

荒谷)
あるやろ。

斎藤)
曲のアレンジが全然変わります。
ijoだってだいぶ変わるし、SHRIMPSの曲に至っては全般的に「そのままライブでやっても絶対つまらんよ」って、メンバー全員意識してました。

荒谷)
宅録感だから伝わる良さと、ライブでの魅せ方は手法を変える必要があると思います。


---最近のライブといえば「ゲスの極み乙女」のリーダーである川谷さんも所属するバンド「ichikoro」との対バンが話題でしたが、手応えはどうでしたか?

荒谷)
「下手くそーーー!!」って怒鳴られるかもってビクビクしてたんですが、良かったです。CD買ってくれた方もいたし。

斎藤)
普通に楽しかったよね。


---川谷さんとはお話しできましたか?

荒谷)
打ち上げの席でお話できました。
「もっとおっさんかと思ってた」って言われました(笑)


---フジテレビの番組「Love Music」でも、川谷さんが「20歳とは思わなかった、こんなに上手いなんて」という趣旨のコメントを出されていましたね。

斎藤)
お会いした時も「50代ぐらいのおっさんかと思ってた」って、褒められました。

田中)
でも別に、俺たちフツーに育ってきたよね(笑)

荒谷)
うん、くっそフツーの家庭環境だった(笑)
ユウヤの家だけ少し特別だったけど。


---「くっそフツーの家庭環境」のyonawoですが、一人のエースが引っ張っているグループというより「それぞれの感性が共鳴しあって出来ている」という印象があります。曲作りやライブの場面で、意図せず生まれた「化学反応」や「偶然の産物」はありましたか?

荒谷)
確かに、そういうのあるよね。
サトシ(田中)が、ライブ当日にベースライン変えてきたことがあります。
あの、ウォーキングベースのやつ。

田中)
あぁ、あったね。

斎藤)
打ち合わせもなくステージ上で披露されたけど、あれは良かったよね。

荒谷)
yonawoは各自で好き勝手アレンジできるので、こういうのは結構あります。
まだあるしね、引き出し。

田中)
うん。全然ある。


---最後に、急増中のyonawoファンにメッセージお願いします。

荒谷)
…なんかある?(笑)

田中)
えっと、いつもありがとうございます。

斎藤)
差し入れ待ってます。できれば日本酒がいいです。

荒谷)
くそバンドじゃん。

立川先生)
「飛露喜をください」ってちゃんと言わないと。


「yonawo」

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