ライブ照明の仕事とは?
コンサートやライブステージの「光の演出」を担当
ライブ照明スタッフとは、アーティスト(歌手やダンサー)のパフォーマンスや楽曲の世界観を、照明を使って効果的に表現する仕事です。
具体的な業務としては、舞台上や客席での照明機材のセッティングから、演出のプログラミング、本番でのオペレーションまでを行います。
まずリハーサルでは、楽曲ごとの照明プランを確認し、音響スタッフや舞台監督、演出家たちと連携しながら、本番に向けて準備や調整を進めます。照明卓(照明機材の出す色や明るさを調整する機材)へのプログラミングもこの段階で行うことが多いです。アーティストの意図を理解し、音楽に合わせて照明を操作し、ステージを彩ります。
本番ではプログラミングを行なった照明卓の操作の他、微調整なども行うため気が抜けません。また、ライブ当日以外でも機材の管理やメンテナンス、安全管理なども仕事の範囲内です。
大変な仕事に思えますが、ライブに関わるスタッフやメンバーと一体感や達成感を感じられるやりがいのある仕事です。
ライブ照明の年収はどのくらい?
厚生労働省の職業情報提供サイト「job tag」によると、舞台照明スタッフの年収は全国平均で約573.8万円、福岡県の場合は576.2万円ほどとなっています。 新卒と呼ばれる年齢層(20〜24歳)の場合は322万円程度です。経験を積み、スキルアップしていくことで年収が増える仕事と言えます。
所属する会社や施設によっては別途手当などが付く場合もあります。
ライブ照明になるには?
ライブハウスなどでアルバイトをしながら照明について学んでいく・・・
そういった独学スタイルも可能ですが、大規模な野外ライブや全国ツアーを行うアーティストのコンサートを請け負う会社の場合、即戦力に近いスキルを求められるケースが多いため、企業に入社する前にある程度の照明に関する知識やスキルを習得しておくことが望ましいといえます。
専門学校に通う
音楽系や映像系の専門学校で音響や照明などのライブ・舞台スタッフを目指せる学科を設置していることがあります。
専門学校に通うメリットは、実際にライブハウスやコンサートホールなどで使用されている照明機材の扱い方を基礎から学べ、実践的な技術を短期間で習得できる点です。照明卓の操作技術、プログラミング方法、電気工学の基礎など、現場で必要なスキルを総合的に学び、スキルを身につけることができます。
また実習の占める時間も多く、講師は現役の照明スタッフから直接指導を受けられる他、インターンシップ先や課外授業が有名イベントといったことも可能です。業界とのつながりが強いからこそ、在学中から経験を多く積むことができ、インターンシップ先にそのまま内定・就職といった学生も多くいます。
大学に通う
一方大学の場合は、舞台芸術や映像などが学べる芸術学部などで照明に関する知識を学ぶことができます。専門学校とは異なり、舞台芸術や映画・映像表現全般の幅広い知識を学ぶため、ライブ照明スタッフに特化したカリキュラムではない場合が多いことに注意が必要です。
就職先としてはイベント制作会社、ライブハウスやコンサートホールといった会社に就職します。スキルや経験を積み、人脈などを築ければフリーランスとして活動することも可能です。
ライブ照明になるために資格は必要?
ライブ照明になるためには、実践経験を積むことが最も重要です。仕事をする上で資格を問われることは少ないものの、以下のような資格が仕事に役立ちます。
- 舞台機構調整技能検定【国家資格】
- 第二種電気工事士【国家資格】
-
舞台・テレビジョン照明技術者技能認定試験
- 足場の組立て等特別教育
ライブ照明の将来性は?
ライブエンターテインメントの進化とともに、照明演出の重要性も高まっています。例えば、最新のムービングライトやLED機材の登場により、より複雑で華やかな演出が可能になっています。
また、オンラインライブの増加に伴い、配信向けの照明技術も重要になってきています。他にもVTuberの人気に伴い、配信などのオンラインではなくリアルイベントでのライブには、生身のアーティストとは違った照明の表現方法や設定が必要となっています。
プロジェクションマッピングや特殊効果との連携など、新しい表現方法も生まれており、こういった技術を持つライブ照明スタッフが今後は求められていくでしょう。
ライブ照明に向いているのはどんな人?
音楽が好き、コンサートやライブによく行くなど、普段からライブが身近にある人はもちろん照明スタッフの素質があります。
また、音楽を聴きながらイメージを膨らませることができるなど、想像力もこの仕事には重要となります。普段からイメージトレーニングを行う習慣をつけてみてもよいかもしれません。
ライブ照明に関連する仕事は?
・PA・音響スタッフ
・ライブスタッフ