俳優の仕事とは？
演技を通じて物語や感情を表現する表現者
俳優は、ドラマや映画、舞台、CMなど、様々な場面で演技を披露する、演じるプロフェッショナルです。
最近は「〇〇ステ」や「××ミュ」といった、人気アニメや漫画の舞台・ミュージカルに作品に出演する「2.5次元俳優」という新しい名称も生まれています。
仕事内容としては、撮影現場や舞台で、監督や演出家の指示に従いながら、時には共演者と協力して作品を作り上げていきます。オーディションや、宣伝のための取材・インタビューなども、俳優の重要な仕事の一つです。
それ以上に俳優はセリフを覚えて演じるだけでなく、役になりきるための徹底的な準備も重要な仕事です。
例えば、演じる役の性格や背景を深く理解し、その人物にふさわしい話し方や立ち振る舞いを研究します。また、アクションシーンやダンスが必要な役では、事前に殺陣などのトレーニングを行ったり、ミュージカルであれば歌唱力も重要なポイントとなるのでボイストレーニングや歌のレッスンを受けます。番組プロデューサーや監督の指示でこういったトレーニングを行うこともありますが、自主的に様々なトレーニングを行っている俳優も多くおり、華やかな一面だけではなく努力やストイックさも求められる仕事と言えるでしょう。
俳優の年収はどのくらい？
俳優の収入は、知名度や出演作品の数によって大きく異なります。新人の場合、事務所から最低保証として月10〜15万円程度の給与が支払われ、そのうえで出演料などが加算されることが一般的です。
出演料は、テレビドラマで1回（1話）あたり数万円から、人気俳優になると数百万円以上になることも。映画の主演では数千万円、CMの出演料は数十万円から数億円まで幅があります。
また、小さな劇団などに所属する舞台俳優の場合は、チケットの売上によって収入が変わるということも珍しくありません。安定した収入を得られる俳優は限られており、副業を持ちながら活動している俳優も多くいます。
俳優になるには？
俳優に学歴は関係ないため、誰もが目指せる職業といえます。ただ、なるためには芸能事務所や養成所の主催するオーディションに合格する、劇団に入るといったことが必要であり、そこに至るまでの道のりは簡単ではありません。
才能があれば、演じ方や表現方法を自然と独学で身につけることもできるでしょうが、そんな天才はほんの一握り。
そこで、専門学校や大学などで、発声方法、台詞の読み方、演技・身体表現など、プロの講師から正しい技術を習得します。学校ではカメラの前での演技指導、学内外舞台での公演実習、他の生徒との共演を通じて、自分らしさの出し方を学び、事務所や劇団でいきなり演技をさせられるよりも確実に成長することができます。また、業界や卒業生とのネットワークが強い専門学校もあり、現役の俳優や監督による特別講義、オーディションや事務所との契約に活かすことができます。
俳優になるために資格は必要？
俳優に必須の資格はありません。
演技力やダンスやアクションの技術など自分の表現力を伸ばして行くことが大切であり、そのためには独学だけではなく専門学校や養成所でしっかりとした演技関連の授業やワークショップを経験することが望ましいでしょう。
俳優の将来性は？
エンターテインメント業界の多様化により、俳優の活躍の場は広がっています。従来のテレビドラマや映画、舞台に加えて、動画配信サービスのオリジナルドラマ、YouTubeやSNSでのショート動画コンテンツなど表現の場はますます増加していきます。
その反面、演技力だけで勝ち残っていくことが難しくなっている一面も。Youtuberとしてチャンネルを開設したりSNS活動といったマルチタレント力を求められることもあります。
演技だけで突き進むのか、様々なスキルを身につけるのか、自分の芯をしっかりと持つことが今後の俳優には重要となるでしょう。
俳優に向いているのはどんな人？
演劇部の活動が楽しい人や、文化祭の演劇で演技をするのが好きな人は、俳優に向いているといえます。人前で話したり、何かを表現することに抵抗がない人、人を観察してその真似ができる人も、俳優として活躍できる可能性が大きいです。
そして何より大切なことは、努力を惜しまず練習に打ち込める、批評や指導を真摯に受け止めて成長できる、そんな素質がある人が、俳優としての成功に近づくことができるでしょう。
